牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

今年も巻機山植生復元ボラ作業に同行する

夏前に今年の巻機山の植生復元ボラの案内メールが来たのでうまく調整して土日で行って来ました。
現在従事する現場が始まって以来初めての土曜休みかも‥。って思っていたけど、去年も土日で参加したので1年ぶりの土曜休暇ですな‥。代休を取ろうにも年52週のうち49日くらいの土曜が失われて行く。休日を換金してくれれば我慢出来るが、何処かに消えてしまい。まったく人生をすり減らして薄給を得るというなんとも情けない業務形態‥

 

土曜の朝早起きして長野からR117→R353→R291で旧塩沢町清水集落へ‥
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午前5時に駐車場出発と言っていたボラ本隊がまだ駐車場にいて早くも合流‥。何処でも熊さんは人気者

 

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割引沢ルートと分かれ毎度歩く『井戸尾根ルート」ですな‥。太陽が眩しかったのもココ辺りまで‥

 

樹林帯を登る時は汗だくですな‥。汗っかきのヒトは休憩毎にTシャツを絞っていたりしたモノです‥
通称『井戸尾根』と言う急斜面を登りきれば5合目になり米子沢が見下ろせるようになるはずなんだけど、本日は見通しが利きませんな‥
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この5合目から左手に広がるブナ林がボクの大のお気に入り地域‥
林床のチシマザサと適当な間隔のブナがいい感じですな‥
同行のK助教に「ココの景観は林床の雑木を計画的に伐採している‥」と教えられ成程と納得‥。
良い景観はヒトの手が入っているモノですな‥。煮炊きに薪や炭を使用していた頃の古写真を見れば里山の山肌はほぼ丸裸状態ですな‥。学生の頃に行ったネパールの郊外も木々は幹だけで葉はおろか枝さえも殆ど無かったし‥

 

去年居たボクが“裸族”と呼んでいた若者のココロの病のハナシをヒヤリングしながら登り、7合目の通称“水晶平”あたりで森林限界?から上に‥、森林限界と言うか草原地帯に入るってコト‥
上越国境の山々の稜線は高層湿原を構成していることが多く、沢登りなんかで源流を登り詰めると(登山道でも同じか‥)開放化のある湿原で景観を楽しめるはず‥なんだけど、真っ白状態‥

 

隊もばらけそれぞれのペースで通称“九合五勺”にある避難小屋に到着‥。ボランティア活動の拠点ですな。主に『巻友会』と言う地元山岳会?が管理して頂いているのかな?あまり詳しくないけど‥設置は合併する前の塩沢町‥避難小屋の一角にスチールのロッカーがあり、内部に什器や乾燥食材が賞味期限をチェックされて管理されている‥。

 

巻機山景観保全ボランティアーズ2015巻機山夏の保全活動日程とHPで現地(避難小屋前)集合の案内を公開しているので、学生さんとボクを含めるOBさん、それに一般参加のヒト、巻友会のヒトで14名くらいかな?
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まずはK助教から活動の説明があります。この活動に合わせて先月下見登山をして何処を重点的に復元するか、効率良くボランティアの労力を分配するのを青写真が助教の脳内に描かれているらしい‥。
一昨年までは、このボラ活動の創始者ナショナルトラストのM本さんと農大のA生先生の双頭体制だったけど、どうやら次世代の後継者が育って安心したのか引退してしまったのであろうか‥?

 

避難小屋からこのボラ活動の象徴ともいえる“通称”『竜王池』と呼ばれる大きな池塘の脇を歩き御機屋(おはたや)と呼ばれる稜線への急登斜面の登山道はこの活動をはじめた辺りでは大きな裸地と化していたが、この活動の結果もあり今では植生復元の為の種の採取場所となっている‥
28年と言えば一世代って感じだよね‥

 

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毎年微々たる予算が使えるらしいのだけど、木道が少しづつ更新されている。材は米松?‥よく判らないけど、最初の木道が栗材だったのから比べると耐久性は劣るようだ‥。良く見れば、滑り止めの木材は欠き込んでおり工夫の跡が感じられる‥。役目を終えた材木も新木道の両脇を固め再利用され微笑ましい‥

 

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すっかり復元された急登の斜面で種の採取をしながら登りきると御機屋と呼ばれる稜線に出る。
去年も見掛けた『役行者』の石碑‥「えんのぎょうじゃ」と読むとのコト‥

 

飛鳥~奈良時代の呪術者で、修験道の開祖。こんな重いモノをヘリで上げたのか?人力で上げたのか?こ黙認されているが、見方によっては勝手に道標を建てるのと変わらないかな?この山には〇合〇勺って表示を建てている団体があるけど、勝手にやって居るコトで管理者も許可を出して居る訳ではない。許可を出せば責任を取らされるので、→何もしない‥って役所サマならではの対応となる。

 

石碑?の周りにはボクの実家の辺りじゃ大晦日に立てる晦日の御祓い用神札(幣束)の一種ですな。宗教掛かているのでそのモノが景観として構成要素となっているかな‥?
ん?そもそも日本の登山は宗教儀式だったってコト‥

 

初日の昼食は各自持参となるので、食べるタイミングをなくすとなんだか作業中にモリモリパンを齧っていたりすることになったり‥

 

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なんとなく採種を終えたメンバーが集まって来て「そろそろ終わりにしようぜぇ~」ってオーラを出しはじめる。買い物袋に採種した種(穂)の量で本日の労働量を自己主張するコトになります。
ちなみにボクが学生の頃は穂から種をしごいて池塘の堆積土と捏ねたりしたけど、近年は穂のまま採取して裸地に撒いてジュートのネットで流亡対策をする工法となっている‥。だもんで、コノ合宿の時期が8月後半になるのも種の出来る時期に合わせたモノ‥
でも、今年はまだ種の出来が良くない(時期が早い)って助教のハナシ‥

 

 

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黄色い花は名前忘れました。今年は右のイワイチョウが沢山咲いているとのコト‥

 

なんて、足元の花々に愛でながら小屋に戻ります。後は食べて飲んで寝るだけです‥。
ここで、日帰りの巻友会のヒトは帰って行きました。ご苦労様です。
小屋のトイレの掃除(使用後の紙の始末)等々のハナシを聞く。常々地元の山岳会の御厚意の上で成り立っていると再確認ですな‥。

 

水場に冷やしておいたビールを取に行くと‥
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さっきまで斜面に乗っていた雪渓の端部が転がっていた。下に居たら‥痛いじゃ済まなかったな‥

 

ビールを引き上げて、小屋内でシェフが調理をする間小屋の前で、一般参加のオジサン達が夕御飯を作りながら晩酌を始めます。蚋(ぶよ)が飛び廻って鬱陶しいです。刺されるともっと大変ですな‥。
学生さんら本隊は土日月の2泊3日でフル参加すると食事がフルに提供される‥。気まぐれ参加のヒトは食事は持参自炊が基本‥。チョット前の参加者の多かった時代は小屋にも入れて貰えずテント持参と言う。かなりハードルを高く設定されていた‥。

 

植生の復元がすすみ、仕事量も減ったコトでなのか参加者も減って、何とか避難小屋に全員収容可能と言うコトで、最近はテント泊のヒトを見ていないし‥

 

このボランティア活動の集団が宿泊する週末にこの避難小屋を利用しようとした一般登山者は、うるさいと思うのか?未来の日本を背負う若者達って微笑ましく思うのか‥?訳ないか‥
この日も1名一般の登山者が居たので、ボラ隊は2Fに陣を張る‥

 

夕食を済ませ、そのまま宴に‥
去年もソウだったけど、学生さんとあまり会話も弾まずオジサン達だけでどうも盛り上がっている様子‥
そのうち一般の登山者も気付かって?色々話し掛けたり‥

 

でも、21時には就寝です‥ごぉぉ~

 

4時過ぎに一般登山者のヒトが動きだし、ガサガサ始めたので目が覚める‥
どうやら天気は悪いらしい‥
ボクもジジイになってすっかり目が覚めるのが早くなった‥ような‥

 

イメージ 10けだるい朝の小屋2Fですな‥。
眩しい朝陽が感じられれば起きろと言われなくても‥
そそくさと小屋の外で朝日のエナジーを全身に浴びに行くんだけど‥
風とたまに小屋の屋根を叩く雨音で、誰も寝袋から出ようとしない‥
かな?
ザァザァ雨なら作業は中止なんだけど、降ったり止んだりじゃ‥
「何しに来たんだぁ?」ってM本リーダーの声が天の声が聞こえてきます‥

 

イメージ 12ってコトで、本日の作業の説明を小屋の前で行います。
本日は昨日登って来た8合目から9合目(ニセ巻)の間に設置されている丸太階段の段差を解消する木製ブロックの使用されていない?モノを拝借して巻機山山頂?の牛ヶ岳直下の登山道の補修に使用するとのコト‥
ニセ巻を経て8合目まで戻って、利用していない様な木製ブロックを抽出。

 

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小屋常備の背負子に木製ブロックを括り付け、学生さんに背負って貰って‥僕らは励ます‥

 

視界のない中、せっせと歩いて群馬県との境界の稜線へ‥
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牛ヶ岳手前が巻機山の最高地点らしいけど、コレと言った表示がないので一般登山者は、御機屋か牛ヶ岳を山頂と認識?して引き返す‥

 

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だけなんだけど‥チシマザサの中の登山道は踏圧で下がり、水溜りになって‥

 

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豪雪地帯だから登山道の一本の傷が拡がって雪庇が崩れる様に稜線が崩壊を始めていたりして‥

 

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登山道に滞水してソレを避ける様に登山道の横を歩き始めると登山道は2本になるし‥

 

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木道を県が設置してくれているが、全てではないし、県が予算を使うのもこの巻機山だけではないと言うコト‥だもんで、あるモノを利用して現状を進行させないようにさせる様に‥出来るかな? 
 
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深く繁ったチシマザサで段差はおろか存在ごと見えなくなった木道を視認出来る様に刈り込む‥

 

イメージ 39けど、あんまり手を加えた様に見えない様に‥
なんて作業をして昼ご飯を食べに小屋に戻る‥
来年も来れるかなぁ~?
ナニナニ?来年からは避難小屋の週末利用を避けて全平日活動にするって‥
ソレって普通の社会人は篩に掛けられるってコト‥?
いつでも休める恵まれた労働条件のヒトしか参加できないのね‥

 

ココで、ボク等普通の社会人さん達は月曜からの仕事に向けて下山‥
残るは学生さんと助教‥それに社会的に恵まれた労働環境の人達‥とほほ‥

 

イメージ 34一般参加の東京から来た兄さんと共に励まし合いながら下山‥
今年は一度も景色が見えなかったな‥
なんとなく水晶結晶を拾って下山ですな‥

 

6合目から下の素敵なブナ林はやはり今年も霧模様‥
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かえって霧がかっている方が素敵ですな‥

 

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ツルツル素練りながらなんとかボクは転ばないで下山しました。なんだかホント疲れちゃった‥
年にこの巻機山しか登らない様じゃ‥戦力にならないよね‥
助役サマも連れて来てみたいけど、ボクもこんなにくたびれて居ちゃとてもとても‥
助役サマは過去に3回ほど登ったコトがあったソウな‥

 

イメージ 20来年も参加出来たら‥
今度は割引(われめき)沢ルートで行ってみたいね‥
駐車場でドロドロの靴の泥を落としていたら靴底がペロリって剥がれて来ていたよ‥
2000年に長野県に来てから白馬の洋品店のセールで買ったやつだから10年位かな?
そろそろ寿命だったみたい‥
お疲れ様‥

 

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