牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

秋晴の鳳凰三山

10月の6,7,8日と業務登山を行った。
日頃の行ないと接客態度がいいからか、村のガイドの先輩から人手の足りない時に要請がある。
完全週休二日の仕事なら、かなり出動出来るのだけれど過疎零細企業は土曜出勤が多く、今年は半分くらい断わった。
『次に臨時収入があれば一眼レフのデジカメを買うぞ!』って宣言をしているので、首を長く待っていた感じもある‥^^

今回の行程は、前夜入山の山小屋1泊。
前夜泊は、前述の温泉旅館で大満足^^いやぁ~申し訳ない‥かな?畳にフカフカの布団で眠れるなんて‥^^
翌朝、ジャンボタクシーと言う10人乗りのワゴンに乗り込み登山口へ‥
賛否両論?で開通した南アルプススーパー林道(広河原~北沢峠を除く)は、以前一般車が自由に通過出来たが、今では夜叉神トンネルから西山温泉までが一般車通行止め‥。
地元のタクシーと路線バスが乗り入れている。

こう言った一般車両の締め出しは日本各地で進められている。
行き止まりの多い山道での駐車スペースの確保が出来ない事が多いので、致し方ないだろう。
ウチの近所でも、大雨だとすぐ通行止めになる“例の”産業道路の登山口があるけど、これも『マイカー規制』になるのは時間の問題かも知れない。

今回のお客様は、男子9名女子17名の添乗員1名の僕を入れて総勢28名
僕の父母よりひと世代下のでも、孫が居たりする団塊世代前後‥
大阪から早朝やって来て、ピーチクパーチク言っている。
『大阪のオバチャン』って事で何か至らない事があると糾弾されるのでは?
って汗していたけど、至って育ちは良さそうだ。
そもそも、登山なんか面倒な事をするヒトにレベル?の低い(失礼)ヒトは余りいない。(かな?)
話題が、『パチンコ』だったりせず僕も話題を合わせる事が出来る^^かな?

こう言った旅行会社主催の登山ツアーの殆んどが深田久弥氏の『日本百名山』と言う“スタンプラリー”見たいなモノに支えられている。
もう、このブームは10年以上前からあった訳だけど、そろそろ終わりと思いきや今では団塊世代が新たに投入され増加の一途を辿っているようだ。
多くのヒトは月に2~3回と登山に出掛け、無論僕よりも最新の日本各地の山に詳しい。
百を登りきったヒトは『二百』『三百』と次なる目標をもち続けるらしい。ご苦労な事だ。

今回は『鳳凰三山』という南アルプスの最北部にある山なのだけど、『鳳凰山』と言ってひと括りにされているらしい。僕もお客様と話題を共にする為に、百名山の名前と場所くらいは知らなければならないと最近は思う。

さてさて、この調子で書いていると、かなり長くなるので写真だけで流すとする‥(*- -)

イメージ 1夜叉神峠から朝日に輝く『白峰三山』?『白根三山』だけ?
この景色が好きで、学生の頃から何度も来ている。
春は落葉松の新緑、秋は黄葉と落ちた後の緻密な枝‥
溜息が出るほど綺麗な所だ‥と思う‥

イメージ 2イメージ 3
夜叉神峠小屋の薪ストーブの煙がなんとも牧歌的‥  ここいらの便所はチップ制が多い。新橋駅の様だ‥
朝靄の中、薪の良い香りが辺りに漂う         便意なくとも消毒剤の匂いを嗅げば俄かにムクムク‥

イメージ 4この極黄色のキノコの名前が判らない。
キノコ狩りのヒトも、食べれるキノコ以外には興味がないらしい‥
まさか食べれないとは思うけど‥
林床にビッシリ生えた地被植物に木漏れ日が綺麗だ。
これも、学生時代から変わらない‥かな?

イメージ 5イメージ 6
小屋付近には携帯電話の受信スポットが明示してある。
ムーバからFOMAになって感度が悪くなった様な‥、電池がもたなくなった様な‥。

イメージ 7南御室小屋
南アルプスの小屋は他の山域に比べて、バラックの様だけど手作り感があって暖か味がある
なんだろう、区画整理された街と自然発生的に膨張した街の違いの様だ‥
地の利に合わせて増築&補修がされて行く様だ^^

イメージ 8イメージ 9
どの小屋も煙突から煙がスルスル‥             森林限界から振り返ると富士山が大きく顔を出す
薪は近所の伐採木を払い下げて貰うのか?          いつも予想していたよりもチョッと上に頂がある 
勝手に燃やしているのか‥?              太宰の一説にもそんなのがあった‥^^


イメージ 10森林限界を越してからチョッと下がったトコにある『薬師小屋』
確か2年前に仕事で泊まった事がある。
こんな中にどれだけヒトが入れるか?って思ったけど、眠れるものだ‥
狭いけど‥

イメージ 11薬師岳から見た南アルプスの3,000m峰達。
もっとクリアーなら海まで見えるのではないだろうか?
僕の高校時代は殆んどが南アルプスの山行‥
就職してからも一度登った事があるけど、懐かしい限り‥
お客達は、「先週登った」とか僕の郷愁感をぶち壊してくれる^^

初めて一眼レフを手にした学生の頃、白旗史郎氏の著書『山岳写真テクニック』だったかな?
で、作例が多いのもこの山域で自然と多く足を運んでしまった‥様だ^^

イメージ 12
今回の最高峰の『観音岳』をチョッと下った所
ココが作例のポイント!
70歳の独りで参加している男性のお客が疲れを見せているけど、他の人は至って元気だ。
天気がいいと足取りが軽い。けど、パーティのペースは疲れている爺さんのペースで‥

イメージ 13
甲斐駒ケ岳』と『仙丈岳』が見えて、『地蔵岳』の“オベリスク”(まぁ岩柱みたいなモノ)が目前に迫る
学生の頃に一度フリーで登った事はあったけど、花崗岩の岩肌はかなり痛く、狭い頂上に行ったら裏側からザイルが垂れていてなんの事無くザイル伝いに登れる事に気が付いた‥って事があった。
通常のツアー?では、地蔵岳はこの岩峰と『赤抜沢の頭』と呼ばれる頂の、『賽の河原』と呼ばれる鞍部にある標識で写真を撮ればそれでいいはずなのだけど、添乗員サンも登りたくてしょうがないらしい‥
『冗談じゃない、危険だから駄目‥』って断わっておいた。

イメージ 14イメージ 15
花崗岩に覆われた白い山肌には風雪に耐えた落葉松が身を捩じらせて鎮座している。
コレも学生時代のまま‥
オベリスク‥コレに登るって?ん?居るよ!登っている人が‥沢山へばりついている(・д・)

イメージ 16通称『賽の河原』
昔からなのか、地蔵岳の名前の由来なのか?こんな裸地化した土地があると人々はすぐ『地獄』を連想するのだろうか?安直だね‥
こんな重い地蔵を安置して‥(見方によっては違法投棄だね‥)
賽銭なんかもあるけど、通貨を捨てているとも言える

イメージ 17裸地化しているものだから、登山道が踏圧と雨水で掘れてしまって大きな溝になっている。賽の河原と言うよりは『グランドキャニオン』になる日も近いだろう。
この下の砂礫のトコも酷い‥
放置しないで、なんらかの砂を止める手立てをしないと‥

普段よりも長く休憩を取り、オベリスクに近付くヒトは黙認ならぬ見ない振りをする。
怪我か死んでも訴えられるのかなぁ~。登っちゃ駄目って行っているんだけどねぇ~。
いい年して、言う事なんか聞きはしないね‥┐(´-`)┌

イメージ 18イメージ 19
さて、無事に事故もなく本日の宿の『鳳凰小屋』三連休とありかなり混んでいる。
早く到着したパーティが酒盛りをしている。日本の高度経済成長を支えた爺婆達が楽しそうだ。
働いただけ見返りのあった世代の無邪気さは、今の停滞した経済状態しか見ていない僕にはまさに『食い逃げ世代』としか映らない‥
小屋は暗くなるまで発電を行わないので、中は真っ暗‥
僕らも小屋の中で場所を確保したら、外に出て酒を飲む。僕は密造ワインを振舞う。
ちなみに敷き布団は2人で1枚。掛け布団は各自1枚‥┐(´-`)┌

イメージ 20イメージ 21
なにやら小屋の付近に咲く珍しい高山植物だそうだ。名前ワスレタ‥

イメージ 22イメージ 23
夕飯のカレーが缶詰でなくてチャンと作っていて美味しい。食べたら寝るだけなので4杯食べておいた。
仲良くオッサンが枕を並べる図‥
同じ釜の飯を食べると、ココまで仲良くなる事が出来る‥
僕は冗談じゃない‥って屋根裏の布団部屋?に上がって勝手に寝る。他にも要領のいいヒトが既に空間を確保している。まったくふてぇ奴らだ‥^^

イメージ 24イメージ 25
朝食はこれまた質素なもの‥     屋根裏部屋なんで気が付いていたけど、かなりな雨降り‥

イメージ 26下りは沢沿いのコース
これは『白糸の滝』
かなり大きな滝‥

イメージ 27雨の中の樹林帯の急坂を木の根を掴んだりして降りる。
皆だんだん無言になる‥

イメージ 28やっと下山しました。
『青木鉱泉』前回は入浴したけど、今回のツアー会社はココの入浴料1,000円が高いと麓の塩素泉に移動する事にしている。
しっかし、1,000円は高いね。
確か隣の『御座石鉱泉』も同様に高かったような‥
せめて温泉は500円までだよねぇ~^^

なにはともあれ無事に下山出来てよかった。
交通費が余り支給されなかったので、下道で自宅まで帰りました。http://counter1.fc2.com/counter_img.php?id=1205573