牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

金沢市 犀末温泉『神仏の湯』

金沢近郊にも興味ある温泉は多い。でも、一つだけPickUpしたのは『犀末温泉』
信州にもある犀川と同名の犀川の上流、金沢市末町にこの温泉はある。
先程の兼六園流入口の裏口(兼六坂上)から辰巳用水に沿って上流に向かう通称「小立野通り」県道10号って事になっている。しばらく左に見て走っていたが、直ぐ見えなくなった。
犀川は右手だ。水路が何処かにあるはずだ。

そのまま小立野通りを上流に向かう。
すると通りの両側は狭まり、崖になってしまう。
なんだぁ~?
尾根だと思っていたら、両側が崖だ‥。
何処を水路が流れているんだ?
右に降りる道を発見して降りてみる。
あったあった!辰巳用水。コンコンとゆったり流れている。用水横には遊歩道なんかあったりして‥。
ほっ!っと安心して「犀末温泉」を探す。

イメージ 1あった。あった。通行禁止。
通行禁止だから侵入する。だって、農耕者‥?
常識人の助役は煙たい顔^^

イメージ 2舗装路が泥んこ道になって細くなると、廃材の集積場が現れた。
ん?間違えたか?Uターンするにも広い所まで行かないと‥
って思って突き進んでいると焼却炉の煙がモクモク!
あったあった。

イメージ 3これぞ場末感満点の犀末温泉“神仏の湯”
県内外の車が3台ほど停まっている。客は居るらしい。
湯守のオヤジに湯銭を払い、辰巳用水について聞いてみる。
もうチョッと上流での犀川に辰巳堰ってモノがあって取水しているらしい。
今、通りから下りてきた時には用水路の姿形は見当たらなかったのに‥
「もうチョッと上を流れているんだよ。」
「夏は鮎釣りの車でこのあたりは賑やかなんだよ」
って色々教えてくれた。

イメージ 4外見の場末感とは違い内部は、まぁまぁの整頓具合。
若者が3人先客だ。
特に目を合わせるでもなく、湯船に身体を沈める。
こんな温泉に来るんだからかなりの“温泉好き”に決まっている。
以前なら色々情報交換をして互いの知識と行動力を労ったモノだけど、なんか面倒なので最近は特に愛想が良くなくなった。一人旅でないからかなぁ~。

彼らはそのうち洗い場に行ってゴシゴシ洗い出す。
焼却炉の熱を利用して冷泉を温めていると聞いた。この上がり湯もその熱を利用しているのだろう。
いつまでも、お湯を被っている。ザバァァァ!ザバァァァァァ!いつまでも、いつまでも。
一人は単独客だったのか上がって行った。残った2人はまだ、流している。
お湯の出が悪いので桶に溜めてはかぶる。いつまでも、いつまでも。
おかしい‥。こいつら変だ‥。

気味悪いけど、しょっぱい味の湯を堪能して上がる。
助役にも「ザパァァザパァァ五月蝿かったね!」って言われる。
彼女に言わせると、今迄入った湯の中で最高の場末感だそうだ。
ヒャッホォォォォ~。最高の誉め言葉だぁ!

つげ義春氏の著書の一説を思い出した。
以下
『そこまで極端ではなくとも、そういう貧しげな宿屋を見ると私はむやみに泊まりたくなる。そしてわびしい部屋でセンベイ蒲団に細々とくるまっていると、自分がいかにも零落して、世の中から見捨てられたような心持になり、なんともいえぬ安らぎを覚える。』「新版 貧困旅行記」(新潮文庫