牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

うなぎ処『かゞ井』

日曜しか休みが無くても転居の準備は進めねばならない‥
転居をしたら通勤路も変わる‥、この地方都市でも結構渋滞する‥
そんな抜け道を研究していたら前から気になっていたうなぎ屋の近くに来た‥。
「予約なしでもどうぞ‥」なんて書いてあるので助役と協議の上、暖簾をくぐってみる
イメージ 1鬱蒼とした外周りが今で言う“隠れ家”的な演出をしている。
「予約してないけどいいですか?」
「いいですよ、あっ引き戸は開けておいて下さい‥」
なるほど、混沌としていて一見さんが近寄らないので引き戸は開けておくらしい‥

「敷居が高いんでないですか?」と僕
「いやいや、先代が住居を改築して開業したのでこんな造りなんです‥」とジーンズの女将‥

予約客用には外の見える明るい席を残し、僕等は末席に通された。暗くて不満‥
広間は僕らだけだ‥
「あっ、こちらでもいいですよ‥」と女将
それならそれで早く明るい席に通せ‥ってココロの中で僕‥
当店のうなぎは厳選したうなぎを使用し‥炭は備長炭‥ご飯は魚沼産コシヒカリ
等々の常套句を女将がまくし立てる‥
「近くの千曲川でもうなぎは獲れますよね?」
「いや、天然モノではないです‥。千曲川のうなぎも今はみんな養殖の放流ですから‥」女将

うなぎの完全養殖はされていないので、日本の河川の河口で採取した稚魚を養殖したのを漁協が千曲川に放流しているって言いたいようだ‥。そうなのかな?確かに千曲川でも事実うなぎは採取できる。
それが放流なのか、信濃川のダム横の魚道を遡上して来たのかはなんとも言えない。
いずれ千曲川の漁協にも仕事で行く事があるだろうからその時に調べよう‥

それに、日本で流通している備長炭のほぼ全数が中国産だ。紀州のウバメガシから造ったものなどなかなか我々の近くに来る事はない。
女将は知っているのか?持ち込んだ業者の情報を鵜呑みにしているのではないか?
そうだとしても“ウソ”をついているのではなく“知らない”だけなんだろう‥

品書きを見てビックリ!うな丼が2,600円で最低料金‥う~ん‥助役と顔を見合わせる‥
「なるほど敷居が高いのではなくて、価格設定が高いのですね‥」と僕
「4月に流石に価格の改定をしまして‥」女将‥
「早くオーダーを通さなくていいのですか?」って言うと
「主人が焼くので私はお客様のお相手しか出来ないのですよ‥」といいつつ下がって行く
「まったくやめてよねぇ~」と助役‥

あとから一見金持ち風の一家と夫婦が入って来た。
それしかないのに品書きを眺め注文をしている。
それから店内の雑誌なんかを読んでいると、なぜか後から来た2組に“付け合せ”の豆腐が出ている‥
連中は予約客なのだろうか?
『予約なしでもどうぞ』と書きながらも“飛び込み客”と予約客で順序の差別をするとは!ってかなり頭に来たけど、先程助役に釘を刺されていたので我慢する‥

イメージ 2首を長くして長野のローカル情報誌とか脂でギトギトの店舗を紹介したビニールケースに入った記事を眺める‥。
そして来たのが『冷奴』ん‥和芥子が添えてある‥
確か冷奴に和芥子を添えて食べるのは金沢近辺と、それを伝えた大阪の一部の地域‥
此処の地名が『加賀井』と言うのは加賀と言うだけあって関係があるのだろうか‥
知ってはいたけど、この取り合わせは僕は初めて‥
女将が来たので聞いてみる‥

「ウチでは昔からこうやって出すんですよ‥。そうそう、一度『和芥子で食べるのですか?』って聞かれた事がありました」
「それは金沢の人ですね‥」
「そうそう」
「この地名“加賀井”と関係はあるのですか?」
「さぁ?」
ダメだ‥あまり日頃目に映る事象に疑問を持った事のない人種と見える‥あきらめた‥
助役もうんざり顔だし‥

イメージ 3後発の2組がうな丼に食らえついているのを恨めしく眺めていたらやっとやって来た。
写真を撮ろうと思っていたけど、ついつい先に箸を付けてしまう‥(豆腐もそう‥)
う~む、なるほど皮までパリパリの香ばしくおいしい‥
久々のうなぎだけど、2,600円も投資すればコレくらいおいしくても当たり前だろう‥
長野市内では、過去に箱清水の「○吉」や去年この書庫にもレポートした「花○き」等々‥まぁ、美味しいけど接客等々の疑問に残る店が多い‥

イメージ 4とりあえずご馳走様‥^^
助役が食べ残すのを念を送って見詰めていたら、分けて貰えた^^
もっとも、うなぎ屋は土用以外はドウしているのだろう?って思っていたけど、なんとかやっているようだ‥。
「東京から毎月わざわざウチのうなぎを食べる為だけにいらっしゃるお客様も居るんですよ‥」
って女将は言うけど、お客の世辞を疑わずに鵜呑みにしてしまったのかな?
長野ローカル誌も女将のハナシを鵜呑みにしてそのまま同じ事を記事にして‥日本も幸せだ‥

まぁ、新居の改装で忙しいけどだいぶ時間を取られてイラついたけど“うなぎパワー”で午後もせっせと働かねばならない‥
と、いいつつ助役のギブアップは毎度早かったけど‥

帰宅後に『加賀井』と『加賀』の関連をチョッと検索したけど、出て来るのは近所の僕の大好きな『加賀井温泉 一陽館』ばかりで、あとは何処かの殿様の名前ばかり‥
イメージ 5イメージ 6
上の写真はうなぎ屋の隣にある加賀井温泉聚楽』の源泉
ここにしても、ほぼ泉質は一緒で露天のあるなしくらいの違いだけど、『一陽館』の方が多く紹介されているからなのか驚くほどすいているし、他の地域の人は少ない‥

確かに『一陽館』の雰囲気は北海道あたりの湯治場のソレを想わせるモノを持っているけど、この『聚楽』だってけっして“鄙”な感じは負けてはいない。
情報化時代では、自分で見極めるよりも多くの人の口コミ(レビュー)を鵜呑みにするヒトが多すぎるのだろう‥
なんて書いているけど、僕はさてドウなのだろう‥?
【参考資料】うなぎ処『かゞ井』