牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

『清津峡』で落石事故を考える‥

塩沢町の清水から長野に帰るのに往路みたいに小出を経由するのはかなり遠回りである事に気が付き、R353にて県境の津南町まで山道を越える事とする。

 

「何処か温泉に入って帰ろう‥」って言っていたけど‥何処にしようかなぁ?
友人は前日まで他の山のガイドに行っており“風呂に入らない4日目”に差し掛かっている‥
イメージ 1何度か行っている清津峡温泉に行く。
清津峡と言えば“日本三大渓谷”の名勝であり天然記念物に指定されている。
下流清津峡温泉からは渓谷沿いに遊歩道があり昭和63年に落石事故があるまでは大勢の観光客で賑わっていた。
この事故の遺族が遊歩道の管理者である新潟県を訴え県が敗訴した事から通行止めとなっていたが、平成8年にトンネルの遊歩道が完成し、トンネル内から渓谷美を眺める形態の観光地として再開された。
この経緯を観光レクリエーションの視点からチェックしていたから色々と世間の落石事故にアンテナを張ることに繋がっていると言ってもいい‥。
かな‥?

 

折角なので山岳ガイドの友人にもこの経緯とこの渓谷を見て貰い、現在進行形である白馬大雪渓の落石事故等々にも思いを巡らせて貰おうと思って500円払ってトンネル内に入ってみた。
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旧遊歩道入口はフェンスで通行止で、そこからトンネルの入口となっている。  これが見取り図なり

 

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無味乾燥なトンネルを歩くと3箇所ばかり岸壁に孔が開けられており其処から渓谷を覗く事が出来る。

 

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渓谷内にまで出てみたいけど、フェンスを越えて出るといつ落石があるか判らない‥
し、テレビカメラが後方から監視している。
でも、コレでは頭上に聳える岸壁を体感出来ない‥

 

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こんな感じのトンネルの窓。スイスアルプスはユングフラウ山の肩(ヨッホ)までの山岳鉄道がアイガー北壁内を貫いており、北壁の岸壁に途中のアイガーヴァント駅からはガラス窓越しに北壁を見下ろす事が出来、確か今は大御所であるC.イーストウッドの初期の監督(主演も)映画に登場していた‥。
ま、あんな感じ‥ チョッとスケールは違うけど‥

 

イメージ 10トンネルの最奥からは一番の見所の部分となる‥
清津峡のポスターは大概ココ‥
友人ガイドは500円が高いとぼやきまくり

 

まぁ、安全登山?観光へのひとつの方向性であると言える。
天然記念物で河川の形状の変更はもちろん、本来小石さえも拾ってはいけない筈なのに大きな孔を開けてしまう“お上”のご都合主義には閉口するが、コレなら落石に遭う可能性が限りなくゼロに近い‥

 

イメージ 11ただしココは豪雪地帯である為積雪期には雪崩がトンネル内まで侵入する。
もちろん冬季はトンネルの営業はしていないけど‥
コレはコレで大自然を肌で感じられると思うのだけど‥

 

温泉街で土産屋のヒトに聞き込みをすると、登山道(遊歩道)で落石に当たって訴訟を起こすなんて近年のなんでも訴訟する時流であったんだろう‥ってハナシ。
まあ、そんな時代になったんだろうし、県も遊歩道として管理していながらも何もしていなかった?のか調べてないけど、対策が足りなかったのも事実だろう‥。
【余談1】温泉編
イメージ 12トンネル内に温泉が湧いている。が、塞がれていて触る事も出来ないのが寂しいけど、500円入浴料払ったんだからお湯くらい触りたかったな‥
聞けばトンネル入り口まで流下し排水しているのだけど既に冷えてしまっている‥
これまた残念‥
以前良く入浴させて貰ったトンネル入口横の宿?は閉店していたし‥
ちょいと温泉地としては再興が必要なのか‥
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で、今回入浴したのがココ‥
閉店した旅館の風呂だけど地元十日町市が買い取ったのか賃貸しているのか経営しているらしく、えーと確か300円だったかな?
広々した浴槽も気持ちいい‥  けど殺風景で寂しい‥
【余談2】命からがら激流下り編
若い頃趣味でタイヤチューブでの激流下りを、盛夏にこの清津峡をも下った事がある。
その時は上流からドンブラ下って来るとトンネルの窓から「ああっ!ヒトが下って来た!」て大騒ぎ?で写真をパチパチ撮られたモノ‥。楽しかったなぁ~^^
その後、もっと水流のある頃に下ろうと梅雨時に挑戦し、余りの激流に途中の滝の手前で命からがら断念し、ウエットスーツのままタイヤチューブを抱えて藪漕ぎをして1,200m程登りガーラ湯沢スキー場にエスケープすると言う事もあった‥。
この時ほど水の恐ろしさを感じた事はなかったし、同行者と生還を喜んだ事もなかった‥ かな?
清津峡は色々と思い出の場所なのです‥。
せっかくの素晴らしい『名勝&温泉地』なんだから何とかならないものか‥
【参考資料】
清津峡渓谷トンネル 湯処よーへり 清津峡
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『アイガーサンクション』監督:C.イーストウッド 1975米