牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

落石対策事例‥ここまでやらないと対策とは言わないのでは?

県道上高地公園線での落石事故での県の見解について批評していても建設的でないので、僕が以前従事した落石対策の事例について書くとしよう‥。

 

イメージ 3富山県の観光の柱のひとつ『黒部峡谷鉄道』は黒部峡谷トロッコ列車に乗りながら手軽に楽しめる事例だ。4月中旬に冬季休業を終え営業を再開するのに合わせて、冬季の積雪で緩んだ沿線の山の斜面の落石の心配のある浮石を全て管理する‥つまり、疑わしい石を全て落とす作業だ。

 

落石があれば施設の破壊にも繋がるし怪我をする人が居れば観光地のイメージにも繋がる‥。
そんな観光地の裏方の仕事に従事する機会に恵まれ?た訳で‥。

 

イメージ 4その方法は、数人ごとに数班に分かれて黒部峡谷鉄道の線路から上部の斜面の稜線まで登り、班ごとに横一列に配置を整える。多くの場合、宇奈月発電所からの送電線への管理山道に沿って標高差300~400mをせっせと登る。普通の登山者のペースなら標高差300mなら1時間くらいで登る‥。

 

イメージ 5横一列の配置の確認が出来たら自分の周囲の浮石を落とす‥。
(イメージとしては犯罪現場で証拠品を鑑識のヒトが横一列で探すアノ感じ‥)
各自呼子(ホイッスル)を持たされており石を落とす時に思いっきり吹き鳴らして周囲に注意を促がす‥
手こずる様な大きな浮石を確認したら、その班の作業が終るまで他の班員はひたすら斜面で待機になる。
落とせない疑わしい大きな浮石は立木にワイヤーネット等で固定‥だったかな‥。
常に横一列なので、理論上では落とした落石に当たるヒトは居ない‥
小雨の降る4月上旬の黒部の山中なんて結構寒かった‥(´ε` )

 

斜面には前年というか何年も前のワイヤーに固定された巨石が残っており、その浮石がどの様に管理されているかが確認できる。

 

黒薙温泉の露天風呂なんて黒部川の支流の黒薙川の絶壁下にある極上の極楽風呂なんだけど、ここの斜面の上の浮石は全部落とした‥。入浴者が「へぇ~ぁ~極楽ぅ~極楽ぅ~」なんて言いながら極楽へ旅立たない様にだ‥

 

さて、どんな人達が作業しているかなんだけど、黒部峡谷鉄道から地元建設会社が請負っており、その会社が人集めをして急斜面での作業を得意とする作業員を集め、はるばる僕らが長野から出張していた訳です‥。
もちろんその会社の社員さんなんかも居たけど、一緒の班にはならなかったな‥

 

イメージ 8必然的にこの時期仕事の少ない山のガイドさんが多く集まり、宇奈月温泉の宿舎に泊まり込みで作業をしていたので夜な夜な山の楽しいハナシを聞かせて貰った‥
ちなみに先日遊びに行った魚津の友人宅も、この時に以来のお付き合い‥。

 

そんな通称“浮石作業”なんだけど、東鐘釣橋落石事故があった頃から落石を防護する恒久的な施設として鉄骨だったりコンクリートだったりの施設が完成して来て人件費の掛る浮石作業は縮小傾向にある様だ‥

 

以上‥説明でした。

 

イメージ 6だもんで、上高地の場合なら標高差80m位なら立木に摑まって這い登っても1時間も掛らないだろう‥(僕は現地の映像はヘリからのニュース映像くらいしか見ていないが‥)
長野県の見解「急峻な斜面で(最初の落石直後は)調査は不可能と判断した」なんてのは“やるべきこと”やらず“不可能”なんて言っているに過ぎない‥。
ソコに作業員を送込み0時10分に死亡事故が起こっているにも関わらず、その20分後に更に落石から逃げようとした作業員が退避中に脚を骨折している。

 

イメージ 7落石の危険のある現場に作業員を送込んで、頭部直撃の死傷者が発生したのに作業を中止させて退避させていない‥なんて信じられない。
 地元ブロック紙信濃毎日新聞では伝えていないが、県外の中日新聞では松本署が業務上過失致死傷容疑を視野に事故の予見・回避可能性と責任の所在を捜査している事と、松本労基署が労働安全衛生法への違反がなかったか調べを進めていると記述がある。
 まさに県内だけの発表報道では世間が見えない‥。まぁ、地元新聞社はお役所あっての新聞だし‥

 

まとめ

 

イメージ 1 イメージ 2

 

ドウかな判るかな?ちなみに縮尺は同じです‥
黒部の浮石の作業では、午前午後で一箇所づつやっていたのに‥

 

指示する立場のお役所が『早く開通させないと‥』って思いが作業員を死に追いやってしまったのかな?
作業員さんの御冥福をお祈りすると同時に、自分もこの様な立場の時に“勇気ある作業中止”を決断出来る様にしなければと思う次第だ‥。( -_-)=з