牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

“精密地震観測室”施設見学

去る4月16日に近所にある『精密地震観測室』を見学する機会に恵まれて参加して来た。
正式名称を『 気象庁 地震火山部 地震津波監視課 精密地震観測室 』と言うらしい。
高校の山岳部時代から気象係だった為“気象庁”なんて聞くと尊敬の念で武者震いで震えてしまう‥

13:30開始だったけど、早めに行って施設内をウロウロ‥ まずはパネル展示(常設展示)を眺める
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言わずと知れた此処は終戦まで掘られていた大本営予定地‥
この辺りの3箇所(象山、ノロシ山、皆神山)あった地下壕でも、大本営天皇陛下ら皇族の疎開予定地になっていた。棟は建設時には半地下構造で上空から発見され難いようにしてあったが、湿気が酷く屋根の土砂と樹木を意取り払い現在のような構造となったと言う。左写真は屋根が出てからのものかな‥?
右写真は“天皇の間”“皇后の間”な訳だけど、ここに来るまでは“天皇の間”とは地下の奥底にありひっそりとお隠れになられるイメージを持っていたけど、平穏時は写真右端の棟で政を執り行い有事には棟から後方の山中に伸びる坑道を通って孔内の別の“天王の間”にお移りになられる‥との事‥。
チョッと勘違いしていた。
助役は閉所暗所恐怖症なので“天皇の間”は是非見たいけど孔の中に入るのは絶えられない‥って断念したのに‥連れて来れば良かった‥^^

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地震観測所だけあって『善光寺地震』の善光寺門前町の大火の範囲や犀川の決壊で水没した村々の絵地図(複製)が展示してあって興味津々‥
今から120年程前の1847年5月8日(旧暦 弘化4年3月24日)それも御開帳の最中とあり沢山の犠牲者が出たらしい。後は有名な『松代群発地震』の記録かな‥
まぁ地震大国日本でもかなり確立の高い地域と言える。地震があれば地滑り、洪水‥とほほ‥

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さて、ヒトも集まって視察の前に所長から地震の講義が始まる。僕は寝てしまったが、他の参加者は大半が“天皇の間”目当てなので地震のハナシには興味がなさそうだった‥(寝てたから判らないか‥^^)
右の写真は地球を観測している部屋で大きなモニターが壁面を覆ってさぞ頭のいいヒトが働いているかの様に感じる‥
2004年12月26日のスマトラ島北西沖地震マグニチュード9.3地震を観測したのもこの部屋だそうだ‥
周囲の山々に地震計を環状に配置しており、どの方向からP波S波を計測して発生箇所を割り出すって事だったかな?そんな部屋‥
地震と後で視察する計測器にて事象を計測解析しているのであって、地震の予知をしたりする施設ではない事が判った。施設内の水槽で鯰(なまず)を買っている気配はなかった‥
【参考資料】気象庁見解地震予知について
近くの皆神山は世界最大最古のピラミッドと呼ばれ“ダイナモ機能山塊?”かなんだか判らないけど電磁波を発生させている(ピラミッド神社公式見解)らしいけど、それの観測は出来るのか?って質問をしたオヤジが居たけど無視されていた‥^^  
地震予知さえも科学的実用的でないと発表している気象庁サマに質問する事ではなかったらしい‥

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さて、お次は待ちに待った“天皇の間”ちなみにさっきのモニターだらけの部屋かその並びの部屋が“皇后の間”だったらしい。
雨漏りの跡があるし、蛍光灯の灯具は市販品でがっかり‥
でも、節のない材であることは判る「節なんていいジャン‥」って思うけど、コレでお値段は全然違う。

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天井板は杉の柾目のモノを砂で磨いたものだそうな‥
って事は、天皇陛下や皇族の方々は、子供の時でも寝床から天板のの模様(年輪)を見上げてナニの模様に似ている‥なんて思う事はなかっただろうな‥年輪とは全て柾目(真っ直ぐ並行)なモノって認識していたかも‥

これでも二班に分かれての見学で、ちゃんと説明してくれる職員サンの近くに居ないと何も聞こえない
イメージ 11もともと一間だったの気象庁が移管されてから二間に分けたとの事でこんな感じです。
天皇の間”
畳もよっぽど良いイグサを使っているのか足裏からは判らなかった‥
ちなみにこの“天皇の間”右の窓の外から施設の門が開いていればいつでも見学が出来る。
是非!
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棟から背後の山中内部の坑道に降りると‥

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有事に非難する“天皇の間”跡がある。内装は気象庁が移管された時には既に取り外されていたそうな‥
記録がデジタル化される前はフィルムに焼き付けての保存だったため、現像室として利用されていた。

さて、大坑道へ‥
先ほどの小坑道と大坑道は終戦で工事が中止されたため繋がっていない為、外からのアプローチ‥
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ここでも、「ここに大本営を移そうとしたんだからねぇ!」てオヤジが説明の職員に話しかけていたけど無視されていた。象山地下壕等と同じく半島からの労働者が汗を流したのに変わりはないだろうけど、こっちは反戦的な雰囲気は微塵もなくあくまでも研究施設と言った感じ‥
その方が好感が持てる‥

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縦横に坑道は続いているけど真ん中の通路に当たり所のみ照明施設が付いている。掘削面はわずか湿り気を感じるがじめじめしてる感じでは無い。とりあえずこの坑道は崩れる心配は無いそうだ‥
我が郷里の吉松地下工場岩粉山地区なんか崩壊しまくりなのに‥
松代でも象山は長野市が公開するために補強を入れているのかな、もう一箇所の皆神山地区はまだ見に行ってないけど、かなり崩壊していると聞く‥

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補強はされているものの、側面は当時の手掘りのまま‥ 今話題の中堅ゼネコンの社名の落書きもある。元請だったのかな?紫外線に当たらないから残るのか?炭とかで書いているから永遠に残りのだろうな‥
鉛筆で書いた記録はインクに比べて変化せずに残ると言うけど、あとは紙の質なんだろうな‥
そんなに比べたら、デジタルな記録なんて便利なだけでなんて脆いもの‥だね。



石英管式伸縮計と水管傾斜計』この施設の主たる計測器のひとつ           手に持ってみた石英
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石英管は右写真のように太目の厚い蛍光灯の様なもので、コレの伸縮を計測している。
計測結果の用紙を見せてもらったが、一定の周期で波形を描いている。その中で乱れた箇所が地球の何処かで起こった地震の影響だそうだ。地表を伝って最短距離で到達した波形と地球の裏から到達した波形、一周してきた波形で大きな周期に乱れが描かれている‥。
そんな事より大きな波形は、月と太陽の引力で地球が伸び縮みしている事を示していて驚いた。
潮の干満は判るけど、地球の伸び縮みがわずか100足らずの石英管で計測出来るとは‥

イメージ 23超?高性能地震計ルーム‥。ここにはこれ以上近づけなかった‥
近頃は高速道路や新幹線がが開通したりで余計なノイズを拾ってしまうそうだ。松代なんて田舎町でも朝の通勤時には車なんかのノイズが増えるそうだ。
「理想の計測場所は、スバル望遠鏡みたいに孤島なんですか?」と質問すると『波のノイズでいいデータが取れない」との事‥。逆に地中深ければ深いほどいいらしい‥。
「他の坑道とかは赴任後歩いて安全の確認とかするんですか?」との質問には『いいデータを取るために余計な動きをしない』そうで研究者たる答えが返って来て脱帽した。

イメージ 24外から見た天皇の間部分。
施設の開館時なら外から観察出来る。
大坑道と天皇の間(内部)は年に1~2回の見学会しかないけど、他の施設はいつでも見学出来るみたいです。
松代にお立ち寄りの際には是非‥^^

【参考資料】精密地震観測室