牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

鹿干肉で天狗印 [The Deer SmokeJerky]

鹿肉は赤身が殆んどだ。マグロで言えばあのトロでない普通の刺身部分だ。マグロの刺身に熱を加えた事はあるだろうか?
昔一日経った刺身を勿体無くて食べようと、味噌汁に投入してパサパサボロボロの肉の塊になった事がある。
なんとも美味しくない。(結局食べてみた)
後は‥Let's me see.Let's me see...ソウ、9mm角くらいのメタリック系の色紙に包まれたキューブ状の味の濃いツナ‥(酒のつまみの)アレの味の無い版だ。マグロの話‥

鹿鍋やすき焼等をやって来たけど、どうも「霜降りの牛肉」には到底近寄れない雲泥の差を感じる。
秋冬に脂肪を蓄えると言っても皮下脂肪の話で、猟師の先輩達は現場で運べる様に解体したら皮と脂肪は現地に残置(捨てる事を都合良く解釈)するという。
地鶏なんかを捕まえて来て食べた事あるけど、アノ弾力のある肉は決して美味しいモノではない。メニューを選ぶと言っていいだろう。そう、人間様の舌はスーパーで売っている肉に慣らされてしまっている。
おフランスでは"ジビエ料理"(gibie)と言う分野がある‥。チョッと馴染みがないので後で調べてみよう。

鹿肉が霜降りに近い状態になるのは、春に新芽を食べてからだと言う。
もちろんこの時期は鹿の繁殖期に当たり、当然禁猟である。
もっとも、害獣駆除って法の抜け道もあるけど‥
だもんで(信州弁)赤い鹿の肉を美味しく食べる方法を考えねばならない‥。

う~ん。肉のブロックが手に入ったらやっぱり、燻製かなぁ~。
『燻製クッキング』(晶文社出版)って本を眺めていると、あった、あった。鹿肉の温燻。
ふんふん♪

イメージ 1しかも、今回は鹿モモ肉だ。
毎度、肉肉しい‥

イメージ 2粗塩、三温糖、タイム、ベイリーフ、黒胡椒を摺り込み、自家製赤ワイン(コンコード)に漬ける‥
ってあるのを、間違えてそれらの調味料を自家製ワインで先に攪拌してしまう。
まぁ、それ程変わりは無いだろう‥

イメージ 3ソレを“ジプロック”に入れて冷蔵庫で2晩‥
コレは水曜日の夜の事。

イメージ 4さて、助役がやって来た金曜夜。
肉塊を流水で塩抜きをしながら、「明日の夜には鹿肉の燻製御馳走するよ」って話をすると
燻製の本に目を通していた助役は、顔を上げて「ディアジャーキーがいいな!」って言う。
「ふ~ん。好きなの?」
で、方針変更!
ビーフジャーキーならぬ“ディアジャーキー”を作る事になる

ホンモノは肉の繊維に添って千切って肉片にするらしいけど、ちょいと難しく削ぐ事にする。

イメージ 5それからまた、塩抜き‥
(再びの塩抜きは必要とは思えないけど、取り合えず‥)

いつまでも、水が赤く染まる
ワインか生き血か‥

イメージ 6翌日クッキングペーパーで水分を切り、物干しを利用して取り合えず室内で乾燥‥これが土曜夜

下手に外に干すと獣がやって来ると良くない。

イメージ 7室内には燻製の先輩の虹鱒が、壁にいつまでもぶる下がっている‥
この位のサイズだとまぁ、食べれるけどスモークサーモンを意識するなら70~90cmの大物を手に入れたいね(o^-')b

ちなみに猿の頭蓋骨もコレクション(o^-')b
昔、日光で拾って来た。
猿軍団の仲間だ。骨を拾ったのではないのだけど‥

イメージ 8室内で一晩乾燥して、皿に盛る
隣にあった干し柿を比べても、非常に近い親戚の様に見える。
本当は日光と風に当ててあげたいのだが、カラスや獣に食べられてもイケナイ‥
ましてや、近頃雪が少ないと言えども、玄関先の干し柿も鳥と思われる暴君に突かれて落下している事が多い。流石に餌が不足して来たのだろうか‥

イメージ 9燻製のセッティング
凧糸(木綿)やステンレス製フックに掛けて燻製釜に入れられる様に‥

イメージ 10はじめは外で燻製を始めたけど、風が出てきて炎が不安定になり熱効率が悪いので、車庫に移動‥

助役は急いで「ゆべし」を非難させる。

イメージ 11小1時間燻製して引き上げる。
助役とチョびっと食べてみる。
!!「うまぁぁぁい!」
ビックリだ!
台湾の土産で天狗印のビーフジャーキーを買って来るけど、アレなんかより全然美味しい!
肉塊の周りの脂肪の幕が、残っていて玉に傷だけど贔屓目に見なくても美味しい!

助役と此処何年か手作りで色々チャレンジして来たけど、その中でもベスト5位には入りそうだ‥
って話し合う。

こんな小さな喜びがケチケチ手作り生活の原動力だなぁ~って実感(o^_^o)


翌日の月曜(今日)肉塊提供者の会社の先輩に、数きれ持参。
社内に瞬く間に広がり、皆おっかなびっくり食べてくれたそうな‥
で、皆美味い美味いでかなり褒められた。
コレで名実共に「天狗(印)」(Tengu *1になった(o^-')b

中には「お肉はスーパーのはいいけど、獲ってくるなんて可哀想&気持ち悪い」なんてのたまっていた。この反応が普通なのだろうがどうも釈然としない‥。
(まぁ、この手の人とはなるべく意見を交わさない様にしているのだけど‥)
“屠殺”と言う行為を、ある種の人々に任せて来た文化が積み重なりこうなってしまったのだろう。
“死”と言うものになるべく目を背けて日常の生活をする人々が今では殆どだ。
「お命頂きます」が「いただきます」の語源と言うけど、賞味期限、消費期限なんていう前にもっと大切にするべきモノがあるような気がする。

そんな死と食べる事を切り離した世の中においても、毎日の様に刃物を使って人を殺める行為は後を絶たない‥。

そろそろ猟期もラストスパート!
次回はもっと大量生産か!
それともアバラ辺りで、ベーコンでも‥
(o^-')b(o^-')b

*1:Brand