牛歩村日記? Like a snail's pace?

日々平穏に暮らしていれば、自から幸せになれると言いますが‥?いろいろ雑音が‥

恒例!ワイン造り(o^-')b

田舎に住んでいて持つべきは、農家の知り合いである。
よそ者ばかりで集まっていても、楽しいけれど持つべきはやはり農家の知り合い‥。
こんな事を書くと下心みえみえだけれど、しょうがない事実です。

さて、大学の先輩が信州のワインの名所の塩尻は「桔梗ヶ原」で農家をしていて、事あるごとにレタス、桃、梨を貰ったりしていたけど、ブドウの栽培は残念ながらしていなかったんです。
今年は熊の出没(マスコミは“熊の被害”なんて言うけど)が、去年の3倍って報道されていて、恒例の“山ぶどう狩り”(他人の山から山葡萄を盗む)の時期を考えていたのだけれど、流石に一家の主?、妻をもつ身となった今、彼女が「怖い、私は行きたくないし、行かないで」と言われたら、行かないのが得策だろう。家庭円満の為‥。(まぁ、春に死に掛けてるし、あまり心配を掛けてはイケナイし、)

そんな所に塩尻の先輩から電話があった。余った葡萄があるって言う。ヒヤッホー!(o^_^o)

平日の仕事帰りに下見(場所を教わり)に行った。
待ち合わせ場所に着いて車窓を開けると、辺りは“ブドウの香り”が立ち込めている‥。
「こんな、香りの中で生活出来たらいいだろうなぁー」なんてうっとりしていた。
まぁ、事実は農薬をバンバン撒いていて外なんか歩けないくらいかも知れないけど(´ε` )

畑の場所を教わる。一応桶も持参したけど、流石に真っ暗では採取不可能。
そんな下見を終え、夜に助役に報告。一緒に収穫をしてくれるらしい。よし!労働力を一人確保(o^-')b

ただ塩尻まで走るのは時間と燃料が勿体無いので、木曾の友人の木工所に機械の運搬もする事に手配。
ロングドライブは、二つ以上の目的を作るに限る。まして、二人で動くのだから尚の事。
木曾に機械を下して旧友なんかに会っていたらお昼くらいになってしまった。

イメージ 1さて、ブドウ畑。
住宅地の中に葡萄畑が点在している。
って言うか、ブドウ畑の中に住宅が出来て来ているんだろう。
そんな事はさておき、作業開始!
今日中に樽(桶)に漬け込まないと、平日は疲れて作業は出来ない。
平日は、助役という優秀な労働力を失ってしまうから‥
なんとか彼女が飽きない内に、作業を今日中に終わらせなければならない。

イメージ 2明るいところで見ると、葡萄がたわわ
助役と“パン喰い競争”のようにむしゃぶりつく。葡萄の種類は「コンコード」
桔梗ヶ原のワインでは良く聞くワインの品種だ。
表面にもそれ程“ボルドー液”が付着していないようでいい感じ、二人で買い物籠を抱えて採取採取。
車に運搬して、持ってきた桶にあける。甘い香りが充満する。

「そ、村長ぉぉ!」(ホントは名前を呼ぶんだけど)「奥に別の葡萄がなっているよっ!」
助役が弾んだ声で教えてくれた。昨日、部屋でアゲハの蛹を発見した時のあの弾んだ感じだ‥
奥にあったのはどうも“ナイヤガラ”って言う品種。
助役は今年は“白ワイン”も作れると俄然張り切りだした。

イメージ 3車に押し込む。
既に“ショウジョウバエ”が大挙して車の中を飛び回っている。
これを、そのまま我が家まで連れて行くのかと思うと、萎えて来る。
以前から、葡萄を貰って来る度にショウジョウバエ地獄に悩まされる。
まぁ、寒くなれば自然消滅するのだろうけど、それまで仲良くしなければならない。

イメージ 4長靴を履いていって良かった。地面は葡萄の粒でグチャグチャ
足を滑らせたらかなり悲惨な事になる。かも
持って行った桶が一杯になったので、終了。
もっと桶を持っていれば、欲をかいて満杯になるまで採取を続けたろう
程々にしておかないと、処理しきれなくなる。

近くで農協祭の手伝いをしている先輩に挨拶をし、先輩と地主さんにお土産を渡す。
助役は“常識人”なので人に会う時には“手ぶら”って事はまずない。

イメージ 5一路、帰宅してこれからが作業。
40リットルの桶3杯+αにコンコード、70リットルの桶1杯にナイアガラ。

暗くなる前に房から外して、出来れば果汁常態にしたい。
仏国みたいに、スカートを捲り上げた素足の“生娘?”に桶上で踏んで潰して貰いたいのだけれど、なかなか役者を揃えられない。

イメージ 6せっせと、房から外して作業する僕。
あたりが暗くなって来た。
助役が飽きないように、なだめなだめの作業(o^_^o)
でも、彼女も意外と楽しんでいる様子‥

イメージ 7暗くなって、車庫に移動。
まだまだ、葡萄は減りません。
「もっと、桶を持って行っていたら、あるだけ採っていたね」と、助役
「‥‥‥」
ごもっともだ、タダとなると見境のない二人だからネ

イメージ 8ようやく潰し終わったコンコード
ショウジョウバエがブンブン飛び回っています。
ここ1週間は雨がなく、房に付いた天然酵母が流れていないかも知れないので、このまま醗酵を待つ事にする。

イメージ 9こっちは“ナイアガラ”
白ワインになる予定なので、色はナイアガラのまま(o^_^o)
綺麗なものです。
実は、甘ったるいから白ワインって飲まないのだけれど、今回は楽しみ。
親馬鹿なんだろうけど、自分で作った物は何でも?美味しい。  いや、本当に!
これも、美味しく出来ればいいな!

イメージ 10果汁を糖度計(比重計)で計っておく。比重から計算して、醗酵後のアルコール度数を推定する作業で、通常のワインはアルコール度数が12%くらいなのだけど、この果汁は9%位にしかならない。当然、糖度が高ければアルコール度数も上がる。
昨年も加糖(砂糖を加える)しないで造った実績があったので、そのまま醗酵させる。
アルコール度数が高い方が保存が効くって言ってもいいかも知れない。あまり、詳しいことは判らないけど、あまり手を加えたくないだけ。

イメージ 11コンコードもアルコール度数は9%並‥
先輩によると、「糖度が足りなくてワインメーカーに買い取って貰えなかった残り」との話。メーカー買い上げってなると品質管理の厳しくなる事は否めない。でも、せっかく作って買って貰えないと困ったもの。もっと剪定して日光を当たる様にしないと糖度が上がらないって事だろう。
地主さんは耳の遠い婆さんらしく、一人で作業しているかは判らないけど大変な事。
助役なんかは「私が手伝いに来る」なんて涙ぐましい事を言っている‥。出来るかな?

イメージ 12風呂に入ってベタベタになった体を洗っていると、助役がワイン作りの本を引っ張り出してきて、「白ワインは果皮と種を除いて醗酵させるって書いてあるよ!」
って言っている。2冊の本にソウ記述されているらしい。
僕も、ソウだったかなぁ~。って思っていたけど、早く作業から解放されたくて目を背けていた。
「‥‥‥」黙ってると「せっかく苦労して失敗するのはヤダ」って言う。

そもそも、なんで果皮と種を取り除くのだろう?
ペクチン、タンニン?あたりの働きのせいなのだろうか‥
あれによって、渋みが出てくるのかな?取り除くから、甘まったるぅぅい、白ワインになってしまうのかも‥。
まぁ、調べていると夜が明けるので、風呂から上がったら今度は絞り作業にかかる。

イメージ 13だいぶ空気(酸素)に触れてしまったからか、色が濃くなって来た。
林檎果汁みたいだ。
ビタミンCを加えて酸化を抑えることも出来るけど、なるべく無添加。(面倒なだけ)
果皮まで除いてしまうと、天然酵母が満足に働いてくれるかが心配。

イメージ 14とりあえず、翌朝のコンコード
「ぷち!ぷちっ!」って醗酵が始まっているようだ。
ショウジョウバエが入水自殺をしないように、布で覆いあとは醗酵を待つのみ(o^_^o)
しばらく、家の中は塩尻のブドウ畑の様にブドウの甘い香りに覆われる。
それば同時にショーちゃん(ショウジョウバエの愛称)にもいえる事で、しばらくお付き合いしなければならない。

この後、オリ引きを何回か繰り返しワインボトルに詰める。
近所のレストランに空き瓶を貰いに行って来なくちゃ!

今迄失敗はないけど、今回も無事に美味しいワインになりますように!

《追記》
ちなみに、ワイン作りは原料と手間のみです。

酵母は天然だし、糖分もブドウの糖分そのまま。
一応、桶や壜はエチルアルコールで消毒はするけど、ブドウは洗わないでそのまま使うから、桶を洗っても洗わなくてもいい感じ。
(もっとも、おフランスのワイン醸造所の樽の中にはネズミが死んでいたり、虫が沢山落ちていたり‥。
とかの噂もあるけど)

蜘蛛の巣があったり、虫が居ても(なるべく除去するけど)今回は手間優先。
あとでアルコール度数が上がれば、殺菌されるだろう(ホントかな?)
手間は手間だけど、手軽といえば手軽。
沢山作らなければ、気楽に作れるでしょう。

ワインの本には、100%の果汁とパン酵母で作るワイン(僕も初期には良く作った)なんかも紹介されているし、手軽ですよ(o^_^o)

是非!

でも、日本では“密造酒”は一応“違法”で、税務署がその気になれば“お縄”になるはずです(o^_^o)